Lenticular 3D
(Feb. 1998 追加分)
lenticular とは
リーダーズ英和によると以下のような意味が第一に上がっています。
lenticular (両凸)レンズ状の
lenticulate <フィルムなど>に波打ちを加える
lenticule フィルム支持体面に付加される微細な凸レンズ
もともと映画関係で使っていたようにも見えますがどうなんでしょう。
当 Web page では「立体写るんです」で使っている方法を指します。
追記
写真のポケットブック(昭和三十年台に出版されたが古すぎて金文字の出版社名が擦り切れてる)によると、
カラー写真の一方式として lenticular 法が有り、 Kodak と Agfa は製品として出してたみたいです。
3つの角度から撮影する代りに三つの色に分けて撮影したわけですね。
1999 3/4
追記その二
出展は忘れてしまいましたが、レンチキュラー植物というのも有るようです。
太陽光線をレンズで集光して光合成の効率を上げるとか???
1999 4/27
Lenticular 3D Photo のしくみ
Lenticular立体カメラはレンズを三つ以上等間隔に並んでいるので、
ネガ上には次のように記録されます。
これをデジタルデーターとして縦に数百に切りばらばらにし、
一枚目の写真A は A1, A2, A3 ... A100 ... とし、二枚目を B1,B2,B3 ... B100..
としたら、 これを A1,B2,C3,A4,B5,C6 と並べてプリントします。
(A2,A3,B1,B3,C1,C2 等は捨てる)
このプリントに縦のレンチキュラーを重ねると、見る角度によっては写真A として、
すこしずらすと B, さらにずらすと C として見えます。
よって両目で見ても或いは片目でも動かせば立体に見える利点があります。
欠点としては、
三枚で構成した場合一枚の写真としては 1/3 しか使っていないので解像度も1/3になる部分が出ます。
また後ろから光を当てないと暗くなるのでプリント裏面が薄い膜になってて壊れ易くなっています。さらに困ったことに字を書くと透けてしまう。
これで一枚180円のプリントを何枚も駄目にしてしまって ・・
実際のカメラ
立体写るんです
のほうはすこし大きいカメラ屋の店頭に置いてあります。
箱に入っててよくわからないと思いますが、これなんとファインダーが素通し なんですよ。
だからファインダーの覗きかたによって見える範囲がだいぶ違ってしまい、
フレーミングが全然決まらない。
最近出回ってるデジカメ用の貼り付けるファインダーを使えるのではないかと思ってます。(1998 Dec.24)
こんなんで写して同時プリントに出したらたいへんなことになります(現像料+ 130円/枚 ^^;)
さらにカメラ自体もなかなか高価で(1600円位でしょうか、ちと忘却)
さらに三連で撮るから入ってる24枚撮のフィルムで16枚しか撮れない。
というわけで、なんとか使い捨てで無いカメラは無い物だろうかと探さずにはいられないわけです。
そこで見つけたのがこれ。
Y氏 がUSで見つけて来たもので、
不満は多いのだけどいろいろな問題を解決してくれました。
まずファインダー問題の解決。
ちゃんとしたのが付いてます。
最近出てるAPSコンパクトにはドアの覗き穴みたいなファインダーが付いてるのがあって、ぶったまげてしまうのですが、これはまともです。ありがたや ^^;
実は一番驚いたのが Leica Minilux でした。
次にフィルム問題。
写るんですのプリローディングだと入ってるフィルム(LV400等)しか使えないわけですが、これだとコダックのローヤルゴールド400(RC)なんかも入るし 36枚撮りを入れて24枚連写することも可能です。
ここで注意すべきはフィルムメーカーです。
コダックとコニカはレンチキュラー立体カメラを出してますが、
他社 フジ、Agfa は出してないので 三連立体のネガカットを受け付けないかもしれません。
その場合は巻いたままのネガを希望して自分でカットすればいいかもしれません。
ただどっちにしろ RC が最適なので、これにしましょう。
LV400とは明らかに仕上がりが違います・・・・あたりまえか ^^;
上のネガシート例には RC の文字が写っているように、
コダックのローヤルゴールド400を使っています。
実際は巻き上げ方式が写るんですと同じで、さらに普通のカメラの1.5倍巻き上げる必要があるので連写はなかなか苦しい。
後は二枚羽根(^^;)方式の二段階(晴れ/曇り)絞りが付いてるので露出もまあ有利です。
レンズはガラス製で、写るんですの二群二枚よりも少し高級です。
ピントは固定ですが、背景にもピントが合ったほうが立体効果が出易くなります。
接写はレンズの間隔が固定なのでうまく行かないでしょう。
問題点は、
- ストロボのX接点が無い。(ストロボ内蔵はしてるが)
- ワインダーが無い。(これはコストの点から不可能なのはわかりますが)
- 三脚に付か無い。 (1/100 固定なので要らないと考えたのでしょうが・・)
と、無いが並んでしまいました。
内蔵ストロボの代りにX接点を付けてくれれば、
Auto ストロボを使って露出を合わせることが出来るのに残念なことです。
ネガの場合はあまり露出を気にしないでいいとか書いてる入門書がありますが、
露出が不揃いだとベタ焼きを取れなくなってしまいます。
しかしまあ値段(100$)を考えればなかなかのものです。
ライカ級とは言わないまでも日本製コンパクトカメラの技術を投入して量産すれば、 数万円でそこそこのが出来そうな気がします。AFの特許も要らないしいかがなものでしょうか。(誰に言っとるのだ^^;)
1999 4/27 追加
他所にも書きましたが、X接点は小さいストロボスレーブユニットを発光面に取り付ければ無改造で済む事を思い付きました。
スレーブユニットは遠距離にあるカメラの電磁レリーズを切ったりにも使えそうです。
Pentax の場合はリレーを介す必要があるようでまだ実行はしてませんが。
謎の四眼レンチキュラーカメラ
JALの案内や月刊カメラマンの広告に小さく四眼レンチキュラーカメラ(Wizard のような)が載っています。
これはとても驚くべき事で、いったい何処で四連立体ネガの焼き付けをやっているのでしょうか。
相当な値段(三万超)なので試しに買ってみるというわけにも行きませんで、
どうやってるんでしょうねえ。
追記
四眼レンチの件につき "opabinia" 氏からメールを頂きまして、
もともとレンチキュラーは4眼でニシカの技術者が独立して Wizard を作ったそうです。
また四眼は見にくいとのお話しも。
四眼レンチキュラーの焼き付けは国内では無理でアメリカ郵送みたいですね。
仕上がりまで何週間も待つとかも他の人からも聞きました。
注)
二枚羽根
絞りは真円でないと駄目だと思い込んで居たので、はじめてこれを見た時は驚きました(笑)。
縦に切るから縦に二枚でいいのかも知れない・・などと思いつつよくわからんですねえ ^^;
RC
1999年版天文年間を見たらなんと ローヤルゴールド 100も 25 も略号 RC として出てました。
長年なんとなく信頼してたのですがねえ。
誤植?を知らせる E-mail アドレスも載ってないように見えます。
追記 1999 3/4
ローヤルゴールド100 が RA なわけですが、先日現像の上がった SENSIAII を見て唖然。
これも略号 RA とは・・
さらに追記
ネガの ISO25 カラーというのは全メーカー廃止の模様・・・どうでもいいですか ^^;
べた焼き
最近は APS の Index print を流用するようで露出が不揃いでも構わなくなりましたね。
この APSようの Index に三連立体ネガを出すと、とても妙なものが仕上がってきます :-)
妙と言うのは、駒の順番がハーフ単位で狂ってしまうのです。
単にオペレーターがコギャルだったからだろうか ^^;
当たり前?
一度スキャンしてデジタルデーターに変換してる事を考えると「当たり前」とは言えない事に気が付きました。
他の立体写真のWebなど見るとデジタル処理しないような事を書いてる所も有って、
なかなか謎な所です。